―有料老人ホームの運営、在宅介護事業など高齢者向けのサービスのほか、保育園や学童保育の運営などを行っている会社でお客様相談室に所属している宮地さん。有料老人ホームの入居相談などを主な仕事としながら、臨床美術に関わる日々を送っています
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(宮地さん)
「臨床美術はテレビ番組で紹介されていたのを見て知り、これだと思いました。アルツハイマー型認知症の女性が毎回楽しみに参加されている様子が素晴らしいと感じました。セッションに参加したことを忘れることもあるそうですが、その瞬間にワクワクしたことや日々の生活に彩りができたというところに共感し、私たちのホームにいる方々にも大切にして差し上げたいことだと思いました。」
―5級資格を取得した宮地さんは、将来に向けたご自身のスキルアップも視野に入れつつ、現在の職場で臨床美術の導入を積極的に行っています。また、地域の方にも役に立つ情報発信として各種セミナーを企画開催しています。
(宮地さん)
「ご入居者様にワクワク笑顔で過ごして頂くために何が出来るのかを考えた時に臨床美術が思い浮かびました。担当するホームでの実施にあたっては経験豊富な臨床美術士の方にご協力いただき、私はサポート役を務めています。単なるアクティビティに終わらず、認知症進行予防の観点からも導入しており、毎回多くのご利用者様に楽しみに参加していただいています。中にはご本人だけでなくお嬢様も参加されて、お母様の表情の変化を感じながら楽しい時間をご一緒に過ごされている方もいます。臨床美術は、私の関わった東京の施設だけでなく関西にもその素晴らしさが伝わり、取り組みは進んでいます。また、昨年は地域の皆さんへの情報発信として、宇野正威先生による「軽度認知障害(MCI)」をテーマにしたセミナーを開催しました。知的な活動が認知症進行予防の一つの手段であると臨床美術を紹介していただき、体験会も実施しました。現在の取得級は5級ですが、仕事に余裕が出てきたら4級など上のクラスを目指し、より自分の幅を広げたいと思っています。臨床美術を通して、認知症の方もそうではない方も、多くのご入居者様がいきいきと過ごされることを願っています。」